波紋第1章 波紋を知る

1―2 波紋の見方

1―2―3 見極め

2006/12/16
by 波仙人

波紋にも色々あるが、共通していえることがある。それは、必ず発信源が存在する点である。 発信源には、自ら出した行為によるものや、悪意を持った人によるものや、善意を持った人からすものである。 特に注意しなければならないものは、 人に対して陥れるのを目的とした悪意を持ったものである。 一番重要なことは、それが事実なのか、それとも悪意なのか、はっきりしない。 それに誰だが発信源なのかがわからないのである。人は、悪い噂を聞きつけると、「直に火の無い所に煙はたたない」と思いがちである。 一般的には、そうであるが、ここで考えなければならない。本当に悪い奴とっくに捕まっているはずである。 やはり事実関係の確認を取らずに行動すれば、間違いは少なく、トラブルに巻き込まれてしまう結果になる。 孔子が言うように確認はやはり必要と思われる。確認をとってから行動をとっても遅くは無いと思われる。  在る所に職人がいた。その職人の元に色白くやせた男が現れた。ここでは、やせ男とする。 そのやせ男が、職人から技術を学ぶために尋ねてきた。いきなりの訪問であり、ずいぶんあつかましい話と職人は、思った。 そこで職人はやせ男に色々と話を聞くことにした。本当に向いているかどうかを確認することにした。 やせ男はやる気があるといっていたが、初心者である。全くの知識もないようである、そこで1冊の本を渡し、読むことを進めた。 だがやせ男は直に根を上げてしまった、こらいしょうがなく、その上高度なことをやりたがった。 初心者で最初からできるはずも無いのである。かなり飽きやすい性格のようであった。 更に職人に向かって出来ないところは、出来るひとがやればいいと言い始めた。それを聞いた職には、それでは人を頼む意味がないと思い、そのやせ男を追い出した。  そのことで恨みを抱くようになったやせ男は、職人の悪い噂を立て始めた。 結局は法にたより、当局に相談した。やせ男は黙るしかないのである。 だが、嘘でも波紋は広がるものである。しがらみの中で生きている以上このようなことも起こりうるわけである。 職人も多少考慮が足らなかったようである。男の性格をよく見極めておく必要がある。 そしてこの嘘の波紋を打ち消すのは、簡単には消すことが出来ないものである。やはり細心な注意が必要になるのが分かるだろう

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