波紋第1章 波紋を知る

1−1 波紋の定義

1―1―5 あるタレントの行為

2006/8/16
by 波仙人

ここでは、実際に起こったものから波紋について考察して観ることにしよう。 今回の波紋は、善意の行為である。この行為一つから色々な波紋が生じるのである。  ある年の出来事であった。その年はたまたま4年に一回に行われる。 オリンピックの年であった。日本でもいくつかのスポーツで大会に参加する事が決まっていた。 だが、比較的人気のあるとなり、メダルに期待がかかる所には、多くのスポンサーも就いた。 それなりの資金も集まった。それ以外では現状はかなり苦しい状態のスポーツがあった。 メダルを取れる可能性が多少あった。人気の無いのも手伝って苦しい状態のスポーツがあった。 それを偶然知ったあるタレントは、善意からTVの生放送中に寄付をすると言い出した。 この行為は立派であり、とてもすばらしいと誰もが思う事だ。 それを思っていてもなかなか口に出せるものではない。 更に立派なことは、発言した事を実行したことである。そして実際に買い物するところを放送した。 しかも現金で100万以上を買ったのである。現金の買い物はTV局の意図によるものである。  この波紋についてみたい。前にも述べたが、波紋とはあらゆる所に広がるものである。 このことを常に念頭に置かなければならないのである。 注目されえていなかったスポーツに脚光を当てた効果はあり、その後の資金も確保するのに手助けになった。これもタレントのカリスマ性といえるだろう。これによって大部分の人々は、このタレントを賛美するものである。  そして好印象を獲得したことになる。だがそれ以外のものを獲得している。好ましくないものである。 この事に気付いているのだろうか?。誰でもそうであろうが、泥棒にあうことを好ましく思うものはいないのである。  だが、このタレントは大金を所持していることを教えたようなものである。 確かに人気商売である以上派手なパフォーマンスは必要であるが、賢いやり方ではない。 反社会的な志を持ち非合法な人達にも教えなくていい情報を教えたことになる。  この話とは別に実際にあった話である。会社の社長がいつも現金を持ち歩いていた。 それで取引したとTVで放送して話題になったことがある。 その後数人の強盗に襲われて現金を盗られてしまった。 そして社長はその時のストレスが原因で死亡してしまった。そのタレントも社長と同じ目に遭う可能性がある。 本当に寄付したいなら名前を公表しないで行うべきである。その方が身の安全を保てるのではないか?。 波紋の恐ろしさを知っているなら、派手なパフォーマンスは、避けるのがあたりまえである。

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